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英単語の作り方:特別編 No.4

2020.04.20

英単語の作り方:特別編 No.4 (語尾切断)

 

 

今回のお話は、英語学習者の方全般向けです。

 

 

 

 

autumnの悲劇

 

 

 

 

autumnという英単語は一応中学1年生の時に習うようになっていて、普通は記憶するのに苦労するのであり、簡単に覚えられたという人は嘘を言っているか、又はこのスペルの余りの不自然さが逆に記憶の手助けになったはずでその異体に大いに感謝していることであろう。ただ、普通に考えると最後の -n が腑に落ちないのであり、これに謎を感じない方がおかしい。

 

 

 

私自身は子供の頃「最後のnは変だ。なんで読まないのに書くんですか?」と英語の先生に尋ねたところ、「くだらないこと言ってないで10回書いて覚えなさい!」と言われた記憶がある。私はそういうのが嫌いです。そして「くだらないこと」が大好きです。

 

 

 

 

複雑なプロセスは、ここでは省くとして、autumnの元々のスペルはautumnus(読み方:アウトゥムヌス)であり、英語のautumnは諸事情により、語尾が切断されたと考えておけば良い。この不自然かつ理不尽な語尾 -n をもつ仲間を呼び出してみよう。

 

 

 

 

以下、それぞれの英単語の日本語訳は書きませんので、辞書で調べてみよう。

 

column < columna

 

damn < damnum

 

condemn < condemnare

 

hymn < hymnus

 

solemn < sollemnis

 

 

 

語尾切断現象は、以上のautumnグループに限るものではない。私たちが自然であると感じている英単語も実は、語尾切断、尻尾の切り落としの結果生まれた無情な歴史を背におっているかもしれない。

 

 

 

 

たとえば、よく耳にする人を表す名称であるPaulは元々はPaulusである。では、名称系の仲間に数名いらしてもらおう。

 

 

 

Paul < Paulus

 

Philip < Philipos

 

Peter < Petros

 

John < Johannes

 

Tom < Thomas

 

 

 

autumn系、名前系の他にも切断単語はいろいろある。

 

ここでは、可哀想なzooについて眺めてみよう。

 

 

 

 

このzooなる英単語は元々はzoological gardenであり、発音は「ゾウオロジカル」、起源は由緒正しくギリシャ語で「動物」を表すzo- という語根と -logy(〜学)の形容詞形 -logicalで、zo・o・logical の2つ目の o は、単語の構成要素をつなぐ接着剤と見なしておけば良い。

 

 

 

zoological gardenは単語としては長いので、初めの3文字のzooだけが人々に言われるようになった。

 

 

 

 

zooに現れている -oo- のスペルはschoolなどのように基本的に「ウー」と発音する。したがってその類推からzooは「ズー」というなんとも不本意な音を担うようになってしまった。

 

 

 

 

以下は参考までに。

 

verb < verb(um)

 

sport < (di)sport

 

soccer < (as)soc(iation football)+ er

 

coed < coed(ucational)

 

math < math(ematics)

 

fridge < (re)frige(rator)

 

flu < (in)flu(enza)

 

 

 

 

※covid19 < corona virus disease 2019