post-covid19 通信 No.6
post-covid19 通信 No.6
前回私が使用した語句の訂正をさせてください。申し訳ありません。
Y先生からのご指摘がありました。ありがとうございます。
心身一如 → 身心一如
身が先で、心が後です。
先ず身体があって、次に心なんですね。「身」と「心」という言葉の扱いにおける歴史を調べるのも面白そうですね。
養老孟司が『日本人の身体観の歴史』(法藏館)の中で、中世の身体観を論じていて、そこで道元の身心一如を取り上げています(p.213)。
普段あまり使わない語句を書くときには、辞書で確認した方が良いことが分かりました。
さて、私たちは数回に亘ってcovid19(パンデミック)によって引き起こされたプラスの側面を眺めています。
今回は、文学の誕生あるいは再発見に焦点を当てましょう。
「セレンディピティ」という言葉をご存知でしょうか?
英語のserendipityをそのままカタカナにしたままですが、適した訳語が見つかりませんので、セレンディピティでいきます。
この語の語源やエピソードについては「英単語の作り方:特別編シリーズ」にて後日お話しさせていただきます。
セレンディピティとは、私たちがまさかの境遇に遭遇した場合に、予測していない偶然によってもたらされる幸運、または幸運的な発見のことを言います。
ただし、いつも心の準備をしておくことが必要です。「棚からぼた餅」ではなく、予期せぬ幸運に巡り合う能力のことと言えそうです。
自分の身の回りで起こってることに無関心な人には厳しそうです。
現在、私たちはcovid19によって引き起こされつつある人類史上最悪の災禍のトンネルの入口に到達したところです。
この最悪最低の状況の中で、自分にとって最も大切なものが発見できる人もいると思います。広い意味で、これもセレンディピティと考えることができるかもしれません。
人類史におけるパンデミックの歴史は、また別の機会に眺めていきましょう。
今回は、パンデミックによって生み出された文学作品を考察していきます。
covid19がパンデミックになった後で、今まではそれほどは読まれていなかったある本が突如ベストセラーになりました。
それはノーベル文学賞作家のアルベール・カミュ(1913-1960)の『ペスト』です。
『異邦人』は読んだことがあっても意外に『ペスト』は読まれていないもので、もしかしたら今回、購入された人もいるのではないでしょうか?
傑作ではあるけれど今まで埋もれていた作品が、時代を隔てた別のパンデミックによって、私たちの手元に入って来たこと、これもまた広い意味ででセレンディピティと考えることができるかもしれません。
大切なものはいつも目の前にあるけれど、中々気付くことができないということかもしれません。
さて、『ペスト』を少しのぞいてみましょう。
舞台は、カミュの出身地アルジェリアのとある街。一匹のネズミの死から小説はスタートします。徐々に町にはペストが蔓延していきます。そして…..
内容は、読んだ方が私の下手なあらすじより断然ベターです。
一部フレーズを眺めてみましょう。
「天災というものは、事実、ざらにあることであるが、しかし、そいつがこっちの頭上に振りかかってきたときは、容易に天災とは信じられない。」
covid19の災禍の元で暮らす私たちもしばらくは、このような状態でしたね。
『ペスト』の主人公医師リウーは言います。
「ペストと闘う唯一の方法は誠
実さだ」
現在、世界各国において、政府による非常事態宣言での自粛要請がなされていますが、これは言うなれば私たち自身が自分たちの日常生活から追放されたことを意味します。
金魚鉢の中から金魚がさっと掬い上げられ、床に放りなげられて、「君たちが金魚鉢で泳いでいると他の人がcovid19で死んでしまうんだよ、しばらく床にいたまえ」と、床でピクピクしている金魚に向かって偉い人が語りかけている、そのような現実に私たちは今直面しています。
このような現象をカミュは、不条理という言葉で表現しました。
私たちは、カミュが感じたのと同様に、現在、集団的不条理に襲われています。しかしながら、私たちは自分のできる小さなことを見極めて、誠実さを武器に行動する以外に他に手段はなさそうに思えます。
ただ忘れてはいけないのは、健康第一ということです。この病気にかからないように努力しましょう。人間にとって身体が最も大切です。
ペスト関連の文学では、古い作品ではありますが、ボッカッチョ(1313-1375)の『デカメロン』も読みたいですね。タイトルを日本語にすると「10日間」です。ペストから逃れて引きこもり生活をしている人達の10日間の暇つぶしで100の物語を語り合います。
この作品は、チョーサー(1343-1400)の『カンタベリー物語』や『千夜一夜物語』のような形式と言えばイメージしやすいでしょうか。
ペスト関連では、『ロビンソン・クルーソー』で知られるダニエル・デフォーも『ペスト』という作品を残しています。
その他、ペスト関連で生まれた大切な英単語「quaratine(検疫)の語源」や医学的に重要な貢献を行った「北里柴三郎(1853-1931)」については、Googleで調べてみましょう。
パンデミック関連の作品では、小松左京(1931-2011)の『復活の日』があります。これは映画(1980年)の方が有名になりました。主演の草刈正雄がいい味出しています。
ここでのウイルスは生物兵器として開発されたもので超強力です。地球上での最終的な生存者は百人くらいだったような。
最近の映画では『コンテイジョン』(2011年)というパンデミック映画があります。この映画の設定は、私たちが現在covid19によって被っているシュチュエーションとそっくりです。
映画としての盛り上がりには欠けますが、ウイルスそれ自体よりパニックになった人間の行動の方が恐ろしいということが描かれていて私たちの現状と同じです。
現実の話として、この『コンテイジョン』の医療監修を務めた医師が、今回のcovid19に感染しました。軽症で済んだそうですが、油断禁物であることを私たちに語りかけてくれます。
パンデミックにより創造された文学作品や映画は、まだまだ沢山あります。また別の機会に眺めてみましょう。
パンデミックがあったが故に、人間の想像力が刺激され様々な文学作品や映画が生まれます。常にそこには人間の前向きな姿勢、場合によっては笑いをも齎そうとする努力があります。人間は、苦悩を作品に昇華させる力をもっていると言えそうです。
パンデミック文学/映画が私たちに伝えてくれているのは、本当に危機的状況に私たちが直面すると、その人が生まれ持っている資質が倍になって現れて目に見えてくるということです。
卑怯な人はより卑怯に、臆病な人はより臆病に、誠実な人はより誠実に、正義感の強い人は正義の斧を振るい、自分の考えとは異なる人を叩き斬ろうとします。
さて、最後にカミュの『ペスト』の締めくくりのフレーズを眺めてみましょう。翻訳は、宮崎嶺雄。
「ペスト菌は決して死ぬことも消滅することもないものであり、数十年の間、家具や下着類のなかに眠りつつ生存することができ、部屋や穴倉やトランクやハンカチや反故のなかに、しんぼう強く待ち続けていて、そしておそらくはいつか、人間に不幸と教訓をもたらすために、ペストがふたたびその鼠どもを呼びさまし、どこかの幸福な都市に彼らを死なせにさし向ける日が来るであろうことを。」
今回、covid19は、私たちにどのような教訓をもたらすために、やって来たのでしょうか?
いつもは目に見えないほど小さなその体が、このように巨大な怪物の姿をとって私たちを襲撃するからにはそれなりの意味があるのかもしれません。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳
post-covid19 通信 No.5
post-covid19 通信 No.5
「やらない善より、やる偽善」
そんな「ことわざ」は、ないと思いますが、良いことばかり言って何もしない善人より、宣伝だとか陰口を叩かれようと実行する偽善を私は良しとします。
ということで、うちの塾も3月、4月に、英語会員一人ひとりに「洗えるマスク」を配布し、経済的打撃を受けた方には会費半額措置を行なってきました(継続中)。
偽善行為第3段として、学校休校中の間、5月から500円分のAmazonギフト券を英語会員の方に毎月、還元させていただきます。
※8月末まで休校 or 12月末まで休校という2パターンを休校の限度期限と想定しております。
※当塾の英語のレッスンは、5/7に復帰します。
※ラテン語・古典ギリシャ語の授業の再開は9月を予定(変更もあり)。現在、閉講中。
「読書っていいかもフェア」開催中
Amazonギフト券をもらって本を買おう!
Amazonカードをもらって、小説でも漫画でも(「マスターキートン」とかいいですよね)、好きなものを買って読むと良いです。私なら少し貯めてアヴェスター語の文法書を買うでしょう。
注意) 「政府から配給される10万円は私は受け取りません」などと言う「かっこいい」偽善者には私たちはなれませんね。時々ぶかっこうくらいでちょうど良いです。しっかり受け取って、どんどん使いましょう。経済を回すことが大切です。行き付けのラーメン屋で普段はのせないチャーシュートッピングいっちゃってください。地元の商店街で使いましょう。メロンも和牛も蘭も買いましょう。農家さんが困っています。
さて、covid19によって環境問題の改善という点を前前回あたりに眺めましたが、今回はその流れで「自然と人間の調和」への気付きについて考えてみましょう。
Nature is visible Spirit; Spirit is
invisible Nature.
自然は目に見える精神、精神は目に見えない自然である。
フリードリヒ・シェリング
部屋の状態は、住んでいる人の精神状態を写す、というようなことがよく言われます。
部屋が人の精神を写すのなら、私たちの身の回りの環境は私たちの精神を写すことになるのではないでしょうか?
汚ない海や空は、私たちが便利さと交換した代償であり、私たちの精神の汚れを示しているようにも思えます。
今回のパンデミックによって、慌ただしく日常を消化していく私たちに一旦立ち止まって、ものをよく考えろ、と時間が与えられたような気がします。
そういうわけで、たまにはテレビも消して、スマホもオフ。風の音でも聞いてみましょう。手で土を触ってみましょう。無音に体をなじませよう。
ガチャガチャした音が消え、無音に慣れてくると、自然の小さな音にも敏感になってきます。
次に「バッハの無伴奏チェロ組曲」を聴いてみましょう (YouTubeで聴けます)。先ずは、ヨーヨー・マさんの演奏から。心にすっと流れ込んで来るのが感じられます。
その次に美味しいコーヒーをいれて、読書の時間をつくりましょう。
さて、先ほど引用したシェリング(1775-1854)ですが、ヘーゲルやカント、フィヒテなどと並ぶドイツの哲学者です。シェリングと言えば同時代のノヴァーリスを連想します。
ドイツ・ロマン主義を代表する詩人ノヴァーリス(1772-1801)。僅か29歳で亡くなりました。代表作は『青い花』(岩波文庫)。
※イギリス・ロマン派だとバイロン卿やシェリーですね。しかしながら、最も有名な作品は、シェリーの奥さんであるメアリーさんの『フランケンシュタイン』ということになります。これについては、いつの日か眺めてみましょう。フランケンシュタインは怪物のことではありませんよ。あの怪物を作った博士の名前です。
ノヴァーリスの作品では、現実と非現実の境界線は薄れ、日常の空間にひょっこり奇跡が顔を出し、奇跡は日常化します。彼は、人間を小宇宙ととらえ、「世界」を「ひとりの人間」としてみなしました。
「身心一如」
「しんじんいちにょ」と読んでおきましょう。心と身体はひとつである、という意味です。コインの裏と表のように。
元々は、道元なのか栄西なのか分かりませんが、仏教の世界の言葉です。
禅においては、肉体があるから座禅ができる、座禅ができるから心が清らかになれるという考えです。
肉体を離れて心はありえないし、心を整えるから肉体が健康になる、身体と心は不可分のものであり、ふたつに分けることはできないということです。
今回のパンデミックで私たちが感じ取れるのは、私たちの心と身体と、さらに自然環境(世界)、この3つは一つのものの現れなのではないかということです。
そんなことをつらつら考えると、ジェームズ・ラブロックの「ガイア理論」に再び辿り着きます。
※ラブロックは、まだ生きています。
今年100歳です!
「地球は一つの生命体である」
私たち一人ひとりは、地球という生命体の中に住まわせていただいているごく小さな生命体であり、地球にとって私たちはウイルスみたいなものです。
私たちが苦しんでいる今回の新型ウイルスのパンデミックと極めて逆説的ですが、私たち一人ひとりは地球にとっての極悪ウイルスであり、特に産業革命以降は計り知れない悪さを地球に与えてきたことは空や海の汚れをを見ても一目瞭然です。その汚れは、地球にとって癌のようなものでしょう。
夜に星が見えないのは異常なことなのです。不自然な現象に私たちは慣れすぎてしまっています。
今回のパンデミックは、実は地球が自己調整能力を使って、自分の「身体」を修復しているのかもしれませんね。
さて、天気が良い日にはゆったり散歩に出かけましょう。毎日、私は近くのビーチまで散歩に出かけるのですが、本当に人があまりいません。だから波の音がいつもよりよく聞こえるような気がします。
しかしながら、ビーチには人々の笑い声があった方がやはり良いです。そして海もそれを望んでいる気がします。
最後に、アメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベル(1904-1987)の言葉を聞いてみましょう。彼は「スターウォーズ」の制作者であるジョージ・ルーカスに多大な影響を与えたことでも有名です。
The goal of life is to make your heartbeat
match the beat of the universe, to match your nature with Nature.
生きることの目的は、自分の心臓の鼓動を宇宙の鼓動に合わせることです。人の内なる自然を宇宙の自然に合わせることに他なりません。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳
post-covid19 通信 No.4
post-covit19 通信 No.4
みなさん、おはようございます。
前回から、極悪covid19によって引き起こされたプラスの側面を観察しております。
私はギターがほんの少し上手くなりました。
普段は練習はしないし、元々うまくはないので、微々たる上達なのですが、時間を持て余しちょっと練習などをした結果、少し前には弾けなかったフレーズがいとも簡単に弾けるようになったのでした。やはり楽器は練習なんですね。
◯「教育制度」と「働き方」の見直し
「教育制度」
学校再開のシナリオですが、大きく分けて2つ考えられます。
1つは、この通信No.2でも書きましたが、日本全国9月入学システムの導入です。その場合、来年の7月あたりが受験ということに今後なります。教育システム全てを変える方法です。
もう1つは、感染者数の少ない地域から徐々に学校を再開させ、最後に東京での再開です。今の教育システム(入学は4月のまま)を継続させる方法です。
どちらにせよ、ただぼーっと誰かが何かをやってくれるのを待っているのは得策とは言えなそうですね。
‘If you want the rainbow, you have to put up with the rain. ‘
虹を見たいんだったら、雨は我慢しなきゃ。
‘We cannot direct the wind, but we can
adjust the sails. ‘
風向きは変えられないけど、舵をきるのは我々だ。
「働き方」
「働く」ということに関して大きな変化が訪れる可能性があります。ベーシックインカム制度の導入がこれに当たります。このことについては、別の機会に考察してみましょう。
◯言葉の向こう側へ
今回は、「言葉とは何か」への気づきについて考えてみます。ほんの少し使用法を間違えただけでも、狂気を引き起こし、凶器にもなりうるのが言葉
です。
covid19によって、私たちは言葉の使い方に慎重になることができ、同時に物事の本質を見る力を少し養えるように思えます。
「コロナ」という言葉は元々、ラテン語coronaで、「冠」という意味です。この言葉そのものに何か悪を感じるでしょうか?
むしろ「冠」は良い意味ではないでしょうか?では、なぜ「コロナ」という言葉に私たちは不快感を感じるのでしょうか?
それは私たちの脳が、あらゆる事柄とイメージに汚染され、本来の言葉の意味を通り越したところに辿り着いてしまうからです。
言葉の使い方において、それが正しいとか正しくないとかの遥か向こう側にある現実の中に孕む危険性について考えてみましょう。
私の大好きなコロナビールがその名称ゆえに生産中止になりました。コロナビール自体のどこが悪かったのでしょうか?
世界中に実際にいる「コロナ」君という名の人が、コロナビール同様にいじめを受けています。
オーストラリアでの映画撮影中にcovid19に感染したアメリカの俳優トム・ハンクスさんへ、ファンの少年が「大丈夫ですか?」と手紙を書いて送りました。
オーストラリアに住むその少年の名前は「コロナ・デブリース」君。その名前ゆえにいじめを受けていると言う。
トム・ハンクスは、返信の手紙と共に一台の素敵なタイプライターを送ってあげたそうです。
それは「スミス・コロナ」社製でした。自分と同じ名前のこの素晴らしい贈物を受け取ったコロナ君はとても喜んだそうです。
‘Love all, trust a few, do wrong to none.
‘
By William Shakespeare
今回のパンデミックが原因で、あらゆるところから人を誹謗中傷する声が聞こえてきます。
もちろん、人間ですから何かに対して怒ることは自然です。しかし今はやめておきましょう。なぜならあまりに多くの人がそうしているからです。
そうは言っても、怒りが収まらない人には「アンガーマネジメント」という心理学を応用した怒りのコントロール術があります。Amazonあたりで検索してみてください。何か良い本が見つかるかもしれません。
古代ローマの詩人ホラティウスは「怒り」を次のように表現します。
‘ira furor brevis est: animum rege:
qui nisi paret imperat. ‘
怒りは短い狂気である。もしこれが私たちに服従しないなら、怒りが私たちを支配することになる。
哲学者セネカも「怒りについて」という論考において、このホラティウスの言葉を引用しています。
言葉というものは、正しいとか正しくないとかの向こう側にある現実に影響を与えます。
covid19のことを「チャイニーズ・ウィルス」とトランプ大統領は連呼しました。
「コロナをアメリカにもってきたのはお前たちだ!」という差別が中国系の人々に対して起こりました。
中国人に対する誹謗中傷に拍車がかかり、テキサスでは、食料品店で買い物をしていたアジア系の親子3人が刃物で刺されるという事件も発生しました。
この3人は、どこか悪かったでしょうか?
「コロナ」君や「コロナビール」や「中国系の人」に対してだけではなく、既にあらゆるところで差別が生まれています。
今アメリカで最もよく売れているものは銃だそうです。
‘Who spits against heaven, it falls on his
head. ‘
人に唾を吐きかければ、めぐりめぐって自分の頭に返って来る。
今回のような危機的状況に私たちが直面すると、人間(人種)や地域社会や政治や国などに内包される問題の性質が倍増して顕現し、誰の目にもはっきりとその本質が見えてきます。
つまり、covid19によって私たちは「今まで見えなかったものが、よく見えるようになった」とも言えそうです。もちろん見たくないことも見えるようになり気分が滅入ることもありますね。
そのような方に、お勧めの映画をご紹介いたします。
「コロナ」君に「コロナ」社製のタイプライターを送った「コロナ」から生還したトム・ハンクスに登場願いましょう。彼の主演映画「フォレスト・ガンプ」です。
「フォレスト・ガンプ(一期一会)」
原作はWinston Groomの小説
‘Forrest Gump’
有名な映画なので観たことのある方も多いかもしれません。でも2回目も悪くないですよ。私は5回以上は観たような気がします。
どのような映画なのか、私の下手な説明より、映画の中の有名なセリフにヒントを見つけましょう。
“My momma always said life was like a box
of chocolates. You never know what you’re gonna get”.
「ママはいつも言っていたんだ、人生はチョコレートの詰め合わせボックスみたいだって。開けて食べてみるまでは、何が入ってるか分からないって」
(人の生は、神様からの贈物で、それぞれに与えられた運命を実際に生きてみるまではどうなるか誰にも分からない、くらいの意味だと思います。)
※原作小説には前述の表現はなく、小説の書き出しに、
‘Being an idiot is no box of chocolates.’ とあります。
※全体を通して、この「通信」に出てくる英語その他の外国語の引用文等の日本語訳は私が付けています。一般的な訳とは異なる場合があると思います。予めご了承ください。
「フォレスト・ガンプ」に似ている映画に「ガープの世界」という作品があります。こちらは原作はジョン・アービングです。村上春樹さんも彼の作品の一つを翻訳していますね。
その作品のタイトルは『熊を放つ』。学生の時に買った記憶はありますが、読んだ記憶がありません。積読だったのかな。
◯現「英語コース会員」の方へ
「covid19特別措置(会費半額)」の受付は継続しております。
※covid19による経済的な打撃を受けられた方のための会費の半額措置。
経済状況の詳細などはお聞きいたしません。審査もありません。
自己申告制でお願いいたします。
尚、英語に関する質問や勉強方法などに関する質問は常に受けつけております。
◯ラテン語・古典ギリシャ語の授業は3月上旬から休講中。
再開予定は9月中旬としておりますが、状況により変化する可能性があります。予めご了承ください。
尚、ラテン語と古典ギリシャ語に関する質問は常にお受けしております。
「ラテン語・古典ギリシャ語単語の作り方」は、かなり不定期です。申し訳ありません。
◯「英単語の作り方:特別編」と
「post-covid19通信」は英語・ラテン語・古典ギリシャ語会員の方全員に送信されています。後でお金取られたりしませんよ(笑)。
〇「英単語の作り方シリーズ」
「英単語の作り方:特別編シリーズ」
「英文法の使い方シリーズ」
「ラテン語・古典ギリシャ語単語の作り方シリーズ」は、
ブログ Lingua Mania 内に掲載されています。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳
お知らせ(会員限定)
お知らせ(GW後のスケジュールなど)
教室は4/25〜5/6までは、お休みになります。この期間分の振替レッスンは、ありません。
※レッスン曜日が(月)、(火)、(水)の人は、1レッスン分を5/7以降に振替でお願いいたします。
※振替レッスンの回数は、自己申告制でお願いいたします。
5/7(木)から通常レッスン再開となります。
◯当塾の規約では、「塾と自宅が30分以内」というのがあります。
基本的に、この範囲の方が通われていると思います。
ただし、遠くから通われている方もいらっしゃると思いますので、そのような場合には、通塾は無理をしないようにしてください。私たちに1番大切なのは身体です。体さえあれば何とかなるものです。
遠方の方は、自宅から徒歩圏内の塾を探すなど、ベターな選択肢が発見できれば、その旨をお伝えください。もちろん、できる限りの注意力をもって当塾への通塾も選択肢の1つです。
現在、人数調整などの細かい作業に入っておりますので、退塾希望の方は、なるべくお早めにご連絡ください。
今まで通っていただき、本当にありがとうございます。今後も、言葉を大切にして学ぶことの喜びを感じていただけたら幸いです。
◯当塾での感染防止への取り組みは、3月から一貫して継続しています。
1 全員マスク着用
2 教室入口にて全員、殺菌ジェルで手の消毒
3 少しでも風邪気味の人は入室禁止
4 窓(3つ)とドアを開けて常に換気
5 生徒の入室は1名〜3名まで限定(なるべく少なく設定しています)
6 ソーシャルディスタンス(2メートル以上)の距離の確保
7 机やタブレットなどは、使用毎に除菌スプレー等で殺菌
◯英語に関する質問などは常にメールにて受け付けております。
ご利用ください。
◯ご相談も受け付けております。
◯covid19特別措置(会費半額)の受付も継続しております。
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◯月会費の入金期間は4/17〜4/27になっております。ご入金が遅れる場合には必ずご連絡ください。
ご協力お願いいたします。
現在、誰もが混乱状態にあると思います。この衝撃を免れている人はいません。しかしながら、少なくともルールだけはお守りください。慎重な行動を心がけてください。問題があれば、お早めにご連絡ください。できる限りのことはさせていただきます。
Love all, trust a few, do wrong to none.
By William Shakespeare
よろしくお願いします。
post-covid19 通信 No.3
post-covid19 通信 No.3
「一度出してしまったものは引っ込めるのは難しい」
そんなことわざは、なかったかもしれませんが、緊急事態宣言は出すことより、解除の方がはるかに難しいでしょう。
解除する理由に、何らかのエビデンスがなければ、あらゆる方向からクレームが上がり、非難の荒らしが発生します。特に医学界から猛反発が予想されます。
そういうわけで、しばらく解除は厳しいような気がします。長期戦の可能性に備えましょう。
Prevention is better than cure.
治療よりも予防が大切。
=備えあれば憂いなし。
さて、みなさん、ちゃんと朝、起きていますか?今日は何曜日か分かりますか?
先ずは、起きる理由を作りましょう。
港北区にお住まいのM.S.君から次のようなアドバイスをいただきました。
寝る前に次の日の予定をノートに書き出し、スケジュールを決めると良いそうです。私も彼のこのアイデアに賛成です。
以下、ご参考までに
◯月◯日のスケジュール
1) 〜時 起床/ラジオ体操/朝食
2) 〜時 オンライン授業など
3) 〜時 お昼ご飯
4) 〜時 散歩/宿題など
5) 〜時 おやつ/カップラーメン
6)〜時 英語/ 数学/夕食など
7) 〜時 ゲーム/読書/就寝
さて、前回から極悪covid19によって引き起こされたプラスの側面を考察しております。
今回は「環境の改善」を考えていきましょう。
Business Insiderから、ロサンゼルスの空がきれいになったという旨の報告がありました。PM2.5が何と40%も減少したそうです。
ロサンゼルスといえば大気汚染で有名な都市です。飛行機の運航減少と自動車の交通量減少がその要因のようです。
ロサンゼルスの極悪環境が極悪ウイルスによって改善されたのは皮肉なように思えます。
東京の夜空に、多くの星が見える日が来るかもしれませんね。失われた美しさを取り戻せるかもしれません。
私自身は、かなり長いあいだ東京に住んでいましたが、海と自然を求めてここ最近はずっと湘南に住んでおります。今、富士山が以前より綺麗に見えるような気がします。
近所に、湘南Bellmareというサッカーチームがあります。ラテン語で「美しい海」という意味です。
さて、環境問題といえば、海洋生物学者のレイチェル・カーソンさんです。彼女の次の言葉を読んでみましょう。
Man is a part of nature, and his war
against nature is inevitably a war against himself.
By Rachel Carson
「人間は自然の一部である。だから自然に対する人間の戦争は、必然的に人間に対する戦争になる。」レイチェル・カーソン
私たち自身も地球の生態系の一部であることが、今回のパンデミックで痛いほどよく分かります。
1960年代にジェームズ・ラブロックという人によって「ガイア理論」という概念が提唱されました。
地球と生物はともに関係し合い環境を作っています。さらに、地球それ自体が、自己調整能力をもっている一つの「巨大な生命体」であり、「生きている」という考えです。
ラブロックについては、またいつか考察するようにしましょう。
さて、レイチェル・カーソンといえば『沈黙の春』が有名ですが、今回は彼女のもう一つの小さく素敵な本をご紹介いたします。タイトルは
‘The Sense of Wonder’です。
自然の美しい写真が満載です。詩のように美しい文章と写真のコラボ。日本語にも翻訳されています。日本語タイトルは『センス・オブ・ワンダー』(新潮社、上遠恵子訳)です。
‘The Sense of Wonder’を読むと、私はいつもなぜか、’ Gift From The Sea’ by Anne Morrow Lindbergh (あの飛行家チャールズ・リンドバーグの奥さんのエッセイ集) というもう一つの素晴らしい作品を思い出します。ともに女性特有の優しいそのトーンがなんとなく同じ感じなのです。
こちらも日本語訳で読むことができます。タイトルは『海からの贈り物』(新潮文庫)。翻訳者はなんとイギリス文学者で翻訳家の吉田健一( もちろん吉田茂の息子)です。お勧めいたします。
2020年、あまりにも便利になりすぎてしまった時代に生きている私たちは今、自然に対して耳を傾ける時なのかもしれません。何か大切なメッセージが聞こえてくるかもしれませんね。
どなたか、もし自然からのメッセージを受け取ったら、またはUFOを目撃したら、すぐにご連絡ください。
最後にレイチェル・カーソンの『沈黙の春』からの一節。
「私たち人間が、この地上の世界と和解するとき、狂気から覚めた健全な精神が光り出すだろう」
今から約60年前の彼女の言葉です。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳