LINGUA MANIA ブログ

進化する英語 part 2

2014.09.12

しかしながら、言語表記の省エネ化は今に始まった事ではない。 研究社の『英語語源辞典』によると、IOU ( I owe you. 借用書 )という表記は1618年以来使用されているそうである。その他にも私たちが自然に使っているものがたくさんある。

 

mathがmathematicsの省略形であることはよく知られているが、PEがphysical educationの略語であることを知る人はすこし少なくなり、さらにradar(レーダー)が、「ra(dio) d(etecting) a(nd) r(anging)」という構成要素で形成されていることを即座に答えられる人は、少ないでろうし、答えられる必要もない。radarまでくると、親が何であれ、子が立派に活躍しており、素性を探るまでもない。

 

省略語は、犯罪系ドラマなどでは頻度が高い。LAPDは、Los Angeles Police Departmentであることは比較的よく知られている。面白いものに、「警察犬」のことをK9などと表記する場合がある。これはcanineの発音をK9と表している。

 

アメリカのドラマ ‘CRIMINAL MINDS’で、よく使われる用語にunsubとMOがある。Unsubは、UNknown SUBjectの略で「容疑者」の意味で使われる。MOは、Modus Operandi(ラテン語)の略でmethod of operation(犯罪の手口)の意味である。

 

MOのようにラテン語を用いた省略語で、頻度の高いものを確認しておこう。

No.:Numeroの短縮形(初めの文字と終わりの文字で構成)で、Numberの意味。
i.e.:id estの略で、that is (すなわち)の意味。
e.g.:exempli gratiaの略で、for example(たとえば)の意味。
cf.:conferの略で、compare(比較せよ;参照せよ)の意味。

参考:高等学校英語教科 CROWN

 


進化する英語?

2014.08.22

「人生はあまりに短く、私たちは悠久の歴史のごくわずかしか捉えられないから、言語は辞書のように確立されたものであり、御影石のように永久不変だと考えてしまう。じつは言語とは、休みなく変化し続ける比喩の海なのだ。」- ジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙 - 意識の誕生と文明の興亡』より

 

海外旅行へ行ったことのある人ならNRT airportと言えば、NRTがNaritaを表すことは説明するまでもないであろう(母音省略)。また、WHOがWorld Health Organizationを表していることや、ASAP(特に軍隊の人は「エイ・サップ」と発音している)がas soon as possibleの略であることも人口に膾炙している(頭字語)。

 

昨今のメールでは、アラビア語やヘブライ語のように母音を表さない表記や頭字語などが流行している。さらに一見すると意味不明な暗号に見えるものまで種々様々である。

 

次の表記を通常の英語に解読していこう。

参考)What did u do 2day ? = What did you do today?

 

1 ur
2 msg
3 thx
4 txtng
5 OMG
6 LOL
7 IMO
8 GTG
9 HBU
10 TIA
11 NP
12 CMB
13 u2
14 b4
15 4 et
16 i1 2cu
17 2bctnd
18 cu2nite
19 do u 1 me 2 pick u up
20 DBAA(アメリカのドラマ’Breaking Bad’より)

 

 

解答
1 your 2 message 3 thanks 4 texting 5 Oh, my God! 6 laugh out loud 7 in my opinion 8 gotta go (got to go) 9 How about you ? 10 Thanks in advance. 11 No problem. 12 Call me back. 13 You too 14 before 15 forget 16 I want to see you. 17 to be continued 18 See you tonight. 19 Do you want me to pick you up ? 20 Don’t be an asshole!


<英単語の作り方>17(接頭辞入門:数字)

2014.08.07

接頭辞入門(その10)

数字の4から6までの接頭辞を記憶する手がかりとして、音楽の奏者の数に注目してみよう。

1 performer : a solo
2 performers : a duet
3 perfomers : a trio
4 performers : a quartet
5 performers : a quintet
6 performers : a sextet

「4」は、ラテン語系では quadr-であり、ギリシャ語系では tetra-となる。

「四角形」はquadrangle、「四年ごとの」はquadrennial、「四足獣」はquadruped、「四つ子」はquadrupletsである。「テトラポッド」はtetrapod [tetra + pod(足)]、「四面体」はtetrahedronである。

「5」は、ラテン語系では quint-、ギリシャ語系ではpenta-となる。

  古代・中世の哲学において宇宙を構成する四元素(気、火、地、水)に、第五番目の元素を仮定して「エーテル」とした。「五番目の元素」なので、これは
quintessence(quint + essence )と名付けられた。今では「真髄;本質」の意味で用いることが多い。

アメリカの国防総省はその形(五角形)ゆえにpentagon(五角形)と呼ばれている。星形の五角形は、pentagramという。また、音楽では五音で構成されている音階をpentatonicという。

「6」は、ラテン語系ではsex-、ギリシャ語系ではhexa-となる。

「60歳台の人」のことをsexagenarianという。「六角形」はhexagonである。

 

接頭辞入門(その11)に続く

 


schoolの起源について

2014.07.19

学校とか勉強とかいう言葉にはどこか強制的な匂いが漂い、直ちに嫌悪感を感じる人もいるであろう。この「学校」を表すschoolの語源はギリシャ語のscholeであり、意味は「暇」であった。

 

いわゆる勉強、学問は暇を持て余した人々が自由な時間を使って、集い、議論などを行っていたことに端を発すると云う。労働、仕事は奴隷が行う。このことから、もし自分の意志ではなく学ぶことを強いられたら、逆説的にそれはもはや奴隷である、と主張する人もいそうではあるが、実際にはどうだったのだろう。

 

『西洋古典学事典』(松原國師著、京都大学学術出版会)によると、プラトンの学校アカデ―メイアでは、「笑うことは許されず、また魂の浄化のために小時間の睡眠や肉食の禁断が要求された」らしい。これなどは、どこかカルト宗教臭さえ漂う。

 

よく耳にする名称の「~アカデミー」は、もちろんこのプラトンの学園アカデ―メイアに源がある。前387年頃に設立されたこの学園の名称アカデ―メイアは、アッティカの伝説上の英雄アカデーモスに由来するらしい。

 

アカデ―メイアでは、先生と生徒は一つの生活共同体で結ばれ、授業料はなかったらしい。この学園からは、アリストテレースをはじめ、多数の逸材が輩出された。

 

アリストテレースは、前335年にアテーナイ郊外に学校を作る。その名はリュケイオン。こちらの名称は日本では、ほとんど知られていない。ただ、フランス語を学ばれた方には、なじみ深いlycee(リセ)という言葉がある。ちょうど日本の高校に当たる。このリセの語源になるのがリュケイオンである。

 

ラテン語では「学校」のことをludusという。ludusを羅和辞典で引くと、「遊戯;競技;学校」などの意味が見られる。この単語の動詞 ludoは「遊ぶ」の意味になる。やはり勉強に一番大切なのは遊び心であろう。ここまでの考察によると、ギリシャ・ローマに「学校」の源があるように思えるが、事態はそう単純ではない。

 

ギリシャ・ローマ文明の前には、メソポタミア文明がある。『歴史はスメールに始まる(N・クレマー)』(新潮社)によると、「スメールの学校制度が十分に発達し栄えたのは、紀元前三千年紀の後半である」そうである。「スメール」という表記に一言。私が所有しているこの翻訳は、昭和34年に発行されたものである。現在では、ほぼ「シュメール」という表現に統一されている。従って、ここでも以後「シュメール」の表記を使う。

 

シュメールの学校は、役所や神殿、宮殿などで働く人、いわゆる「書記」を養成するための職業的な訓練所であったのであろう。誰もが教育を受けられたわけではなく、富裕階級の子弟だけが学校に通った。また、学校は男性だけで成り立っていた。神学、植物学、動物学、鉱物学、地理学、数学、文法などなど、様々な学問が発展していった。専門の教師も存在していたらしく、現在と変わらず安月給で苦労していたらしい。一方で、教師は生徒を訓育のため鞭打った。生徒は毎日朝早くから太陽の沈むまで学校で学んだ。

 

メソポタミアで発掘された粘土板には、様々な内容のものがあるが、非常に人間的なものも少なくない。そこには教師と生徒の日常的なやりとりなども伺い知ることができるものもあるようである。以下は、ある資料からの想像。

 

「君は、なぜ遅刻したのだね?」
「すいません、もう二度としません!」
「君は、先週もそう言っていたね!」
「先週は、母が起こしてくれなかったのです。」
「君は、自分の遅刻を人のせいにするのかね?お尻をだしなさい!鞭打ちです!!ビシッ!!」

 

この生徒は先生の怒りを鎮めるために、家に帰ると父に言う。
「父さん、先生を家にお招きしたいのですが。」
「どうしたのだ?」
「いえ、尊敬する先生に敬意を示しておく必要はありませんか?」
「その通りだ。お招きしよう!」

 

父親は、先生に葡萄酒を飲ませ、おいしいものを食べさせる。衣服を与え、指輪を贈る。 先生は、少し機嫌が良くなるのである。 「おたくの息子さんは、優秀ですね!努力家です!将来は立派な書記になるに違いありません!でも、遅刻はいけませんよ!!」 今から5000年前の日常である。

 


<英単語の作り方>16 (接頭辞入門:数字)

2014.07.01

<英単語の作り方>16

接頭辞入門(その9)

数字関係の続き。今回は「3」について考察していこう。

◎tri- (ラテン語・ギリシャ語) 「3」は、ラテン語ではtres、ギリシャ語ではtreisなので、今回は両者合わせてtri-としておこう。

「1」「2」「3」を「車輪の数」で、再確認してみよう。unicycle、bicycle、tricycle。

triangleは、「3つの」「角」をもっており、「三角形」という日本語にされる。「3人組」はtrio。「3倍」はtriple。「3倍にする」はtriplicate。tripletの意味は文脈に依存していて、twins(双子)に対してはtriplets(三つ子)であり、音楽の話をしている時はtriplet(3連符)となる。

 

接頭辞入門(その10)に続く